Climate Change and Nature

気候変動及び自然資本への対応(TCFD/TNFD)

気候変動及び自然資本に関する方針

気候変動及び自然資本に関する考え方

本投資法人は、持続可能な社会の実現が、本投資法人の持続可能な成長にとって不可欠であるとの認識のもと、本投資法人がその事業を通じて社会的課題の解決に貢献することは、本投資法人の基本方針である「中長期の安定した収益の確保」と「運用資産の着実な成長」に沿ったものであり、ひいては投資主価値の向上に資するものと考えています。
気候変動及び自然資本への対応は、本投資法人が持続的な事業活動を行う上での喫緊の経営課題であり、本投資法人にとって特に重要性の高いESG課題(マテリアリティ)の一つと位置付けています。
今後も、気候変動及び自然資本の重要課題への対応を通じて、サステナビリティへの取組みを推進いたします。

TCFD・TNFDの統合開示

  • 本投資法人の資産運用会社である野村不動産投資顧問は、気候変動と自然資本への対応を喫緊の課題と認識しており、2020年7月にTCFD提言に賛同し、2025年にはTNFDフォーラムへ参画しました。
  • 本投資法人は、2024年3月に、TCFD提言に基づく非財務情報の開示に加え、2026年4月、TNFDのLEAPアプローチに基づき自然関連のリスク・機会や優先地域の特定及び開示を行いました。
  • TCFD及びTNFDの開示におけるフレームワーク「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つに沿い、気候変動及び自然資本に関する情報を、以下の通り開示いたします。

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項目 TCFD開示 TNFD開示
ガバナンス
  • 本投資法人のESG推進方針・マネジメント体制についてはこちらをご覧ください。
戦略
  • 本投資法人では、気候変動リスクが本投資法人に与えるリスクと機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するためにシナリオ分析を実施しました。
    シナリオ分析についてはこちらをご覧ください。
  • 本投資法人では、自然資本及び生物多様性が本投資法人に与えるリスクと機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するために、LEAPアプローチに基づき自然関連のリスク・機会や優先地域の特定を行いました。
    分析結果についてはこちらをご覧ください。
リスク管理
  • 本投資法人のリスク管理についてはこちらをご覧ください。
指標と目標
  • 本投資法人は、2050年にGHG排出ネットゼロを掲げています。
    また、中期目標として2030年に、GHG排出総量80%削減(2019年度基準、Scope1+2+3(カテゴリー13))を掲げています。
    環境分野のマテリアリティについてはこちらをご覧ください。
    環境分野のマテリアリティ達成に向け策定した移行ロードマップについてはこちらをご覧ください。
    温室効果ガスの削減に向けたアクションプランはこちらをご覧ください。
    水資源・廃棄物等への対応に向けたアクションプランはこちらをご覧ください。

本投資法人では、気候変動リスクが本投資法人に与えるリスクと機会を把握し、それが事業に与える影響を検討するためにシナリオ分析を実施しました。一連の検討過程においては、我が国の2050年カーボンニュートラル宣言に基づいて制定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を考慮しております。

シナリオ分析の前提

本投資法人は、各国際機関等が公表している将来的な気候予測を主な情報源としてシナリオ分析を行いました。本投資法人が参照した主な情報源は、下表のとおりです。また、気候変動リスクは、「移行リスク」と「物理リスク」とに大別することができ、移行リスクと物理リスクの関係は、相互に依存するとともにトレードオフの関係にあると考えられています。

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気候変動リスク 主に参照した情報源
移行リスク 脱炭素社会を実現するための新しい規制、税制、技術等によって生じるリスク IEA(国際エネルギー機関)World Energy Outlook 2023
物理リスク 気象の変化等、気候変動そのものによって生じるリスク IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)第6次評価報告書(AR6)

本投資法人は、「パリ協定」の趣旨を踏まえ、4℃シナリオ、2℃シナリオ、1.5℃シナリオの3パターンをシナリオ分析の前提シナリオに設定しました。各シナリオの概要は下図のとおりです。

2℃シナリオ・1.5℃シナリオ

1.5℃シナリオは、脱炭素社会を実現するための厳しい規制及び税制等が実施されることで、温室効果ガスの排出量が削減傾向となることを前提としており、物理リスクは低く、移行リスクは高いシナリオです。
2℃シナリオは、4℃シナリオと1.5℃シナリオの間に位置づけられますが、1.5℃シナリオと同様に厳しい規制及び税制等が実施されることで、温室効果ガスの排出量が一定程度抑制されることを前提としており、1.5℃シナリオと同程度ではないものの物理リスクは低く、移行リスクは高いシナリオです。

figure

4℃シナリオ

4℃シナリオは、脱炭素社会を実現するための厳しい規制及び税制等が実施されないことで、温室効果ガスの排出量が増加を続けることを前提としており、物理リスクは高く、移行リスクは低いシナリオです。

figure

シナリオ分析に基づく財務的影響額の検証

本投資法人は、前述した3パターンのシナリオごとに、識別したリスクと機会の財務的影響額の大きさを検証しました。各シナリオについて、2030年(中期的展望)及び2050年(長期的展望)における影響を検証しています。結果の概要は下表のとおりです。
なお、本検証は、現時点において収集可能なIEAやIPCC等の公表するシナリオやその他第三者の専門機関等が公表している客観的な予測データ等を参考にしながら、本投資法人の保有資産の状況等を踏まえて定性・定量的に検証したものでありますが、既知のリスクの不確実性又は未知のリスクその他の要因を内在しており、必ずしもその情報の正確性及び安全性を保証するものではありません。

1.5℃シナリオ

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(億円)

<世の中の変化> <リスクの内容> <機会・リスク軽減と対応コストの内容>
分類 リスク 財務的影響額 機会・対応コスト 財務的影響額
2030
年度
2050
年度
2030
年度
2050
年度
政策 炭素税制度の導入 移行リスク 炭素税の負担発生・増加 (単年)
▲4.7
(単年)
▲8.5
リスク軽減 省エネ化工事・再エネ電力導入による炭素税の負担減少 (単年)
+3.7
(単年)
+6.6
必要コスト 再エネ電力導入に伴うコスト増加 (単年)
▲0.3
(単年)
▲0.3
市場 カーボンニュートラルを目指す企業の増加
入居者による創エネ・省エネ性能重視の物件選び
環境性能が低い物件(環境認証未取得物件)の競争力低下 (単年)
▲13.0
(単年)
▲13.0
機会 環境性能が高い物件(環境認証取得物件)の競争力向上 (単年)
+9.4
(単年)
+9.4
リスク軽減 環境性能の向上(環境認証の取得)による競争力の回復・向上 (単年)
+4.6
(単年)
+4.6
必要コスト 環境認証の取得・維持コスト (単年)
▲0.3
(単年)
▲0.3
責任銀行原則による銀行の融資判断の変化 グリーンローン等による資金調達コストの低下 ー(※1) ー(※1)
急性 自然災害の激甚化 物理リスク 洪水・高潮による物件被害の発生・増加及び営業停止による賃料収入の減少 (累計)
▲8.0
(累計)
▲36.2
リスク軽減・機会 保険金収入の発生・増加 (累計)
+8.0
(累計)
+36.2
損害保険料の上昇 (単年)
▲0.1
(単年)
▲0.6
慢性 平均気温の上昇 冷房コストの増加 (単年)
▲0.1
(単年)
▲0.1
暖房コストの削減 ー(※1)
合計
(①)
(単年)
▲18.0
(累計)
▲8.0
(単年)
▲22.2
(累計)
▲36.2
合計
(②)
(単年)
+17.1
(累計)
+8.0
(単年)
+20.0
(累計)
+36.2
残余リスク
(①-②)
(単年)
▲0.9
(累計)
-
(単年)
▲2.2
(累計)
-
  • ※1 影響が軽微のため、算定対象外としています。
  • ※2 各リスクの算出における前提条件については、こちらをご参照ください
NMFの対応

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分類 NMFの対応方針と取り組み
移行リスク関連 政策 炭素税制度の導入 リスク軽減・機会

GHG排出量の削減による炭素税の削減

■目標(KPI)
  • 2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロ
  • 2030年度までに温室効果ガス(GHG)80%削減(2019年度基準)
  • 再生可能エネルギー電力:2030年までに100%導入 ※
(※本投資法人が管理権限を持つ物件が対象)
市場 カーボンニュートラルを目指す企業の増加
入居者による創エネ・省エネ性能重視の物件選び

保有物件の環境性能向上及び環境認証の取得による物件競争力の維持・向上

■目標(KPI)
  • 保有物件のグリーン認証(3★相当以上)取得割合※を2030年度までに70%まで向上させることを目指します。
  • ※グリーン認証(3★相当以上)とは、DBJ Green Building認証3★以上又はBELS認証3★以上又はCASBEE不動産B+以上をいいます。
  • ※底地物件を除く保有物件をベースとし、延床面積をベースとします。
責任銀行原則による銀行の融資判断の変化 ・グリーンファイナンスフレームワーク等の策定 ・グリーンローン借入、グリーンボンドの発行等
物理リスク関連 急性 自然災害の激甚化 ・新規投資時:デューデリジェンスプロセスにおける浸水リスク等気候変動リスク調査
・物件運用時:定期的なサステナビリティ・リスク評価(浸水リスク等の気候変動リスク含む)
・ハード・ソフト両面面での災害対策
(ハード面:防水版設置、ロードヒーティング設置 等)
(ソフト面:内水氾濫リスクアラート配信システム、BCP計画策定、防災訓練 等)
・災害リスクに対する適切な保険付保
慢性 平均気温の上昇
4℃シナリオ(参考)

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(億円)

<世の中の変化> <リスクの内容> <機会・リスク軽減と対応コストの内容>
分類 リスク 財務的影響額 機会・対応コスト 財務的影響額
2030
年度
2050
年度
2030
年度
2050
年度
政策 炭素税制度の導入 移行リスク 炭素税の負担発生・増加 (単年)
▲0.1
(単年)
▲0.1
リスク軽減 省エネ化工事・再エネ電力導入による炭素税の負担減少 (単年)
+0.1
(単年)
+0.1
必要コスト 再エネ電力導入に伴うコスト増加 (単年)
▲0.3
(単年)
▲0.3
市場 カーボンニュートラルを目指す企業の増加
入居者による創エネ・省エネ性能重視の物件選び
環境性能が低い物件(環境認証未取得物件)の競争力低下 - - 機会 環境性能が高い物件(環境認証取得物件)の競争力向上 - -
リスク軽減 環境性能の向上(環境認証の取得)による競争力の回復・向上 - -
必要コスト 環境認証の取得・維持コスト - -
責任銀行原則による銀行の融資判断の変化 グリーンローン等による資金調達コストの低下 ー(※1) ー(※1)
急性 自然災害の激甚化 物理リスク 洪水・高潮による物件被害の発生・増加及び営業停止による賃料収入の減少 (累計)
▲8.8
(累計)
▲49.5
リスク軽減・機会 保険金収入の発生・増加 (累計)
+8.8
(累計)
+49.5
損害保険料の上昇 (単年)
▲0.2
(単年)
▲1.1
慢性 平均気温の上昇 冷房コストの増加 (単年)
▲0.1
(単年)
▲0.3
暖房コストの削減 ー(※1)
合計
(①)
(単年)
▲0.4
(累計)
▲8.8
(単年)
▲1.5
(累計)
▲49.5
合計
(②)
(単年)
+0.2
(累計)
+8.8
(単年)
+0.2
(累計)
+49.5
残余リスク
(①-②)
(単年)
▲0.6
(累計)
-
(単年)
▲1.7
(累計)
-
  • ※1 影響が軽微のため、算定対象外としています。
  • ※2 各リスクの算出における前提条件については、こちらをご参照ください

本投資法人が資産の運用を委託する本資産運用会社におけるサステナビリティに関するリスク管理体制は下記のとおりです。

投資判断時

運用資産の新規投資にあたっては、デューデリジェンスプロセスのなかで、気候変動リスクに対する各種調査を踏まえたうえで、投資委員会にて投資判断を行っています。具体的には、対象物件の洪水・冠水可能性につき、各種ハザードマップによる浸水レベルや浸水履歴、治水工事等の実施履歴を調査・確認しています。また、環境認証の取得有無を含む環境・省エネ設備の有無、BCP対応状況等を確認しています。

運用時

サステナビリティ推進会議において、気候変動リスクを含むサステナビリティに関連したリスク全般の管理、モニタリングを実施しています。具体的には、温室効果ガス(GHG)排出の削減目標(詳細は下記「(4)指標と目標」参照)に対する省エネ施策等の実施状況と、それを踏まえたGHG削減状況を個別物件ごとにモニタリング、可視化しながら、GHG排出量の増減理由を分析し、必要な対策を適宜、検討しています。また、個別の物件ごとにサステナビリティ・リスク評価シートを作成し、気候変動リスク等が顕在化する可能性を評価しています。この評価は、毎年保有物件の一定割合に対して実施することとし、全物件に対して約5年間のローテーションに基づいて行っています。なお、気候変動リスクを含むサステナビリティの取り組み全般については、サステナビリティ推進最高責任者(取締役)管理監督に基づき推進しています。

本投資法人は、気候変動に代表される環境課題の解決が本投資法人の持続的な事業とその実現に向けた事業戦略において重要な経営課題であると認識しています。こうした認識のもと、本投資法人は、低環境負荷物件への投資と、保有物件における環境・省エネルギー対策等の運用を通じたエネルギー利用の効率化とGHG排出量の低減に取組み、低環境負荷ポートフォリオの構築を目指しています。

保有物件のグリーン化

目標(KPI)

保有物件のグリーン認証(3★相当以上)取得割合※を2030年度までに70%まで向上させることを目指します。

  • ※グリーン認証(3★相当以上)とは、DBJ Green Building認証3★以上又はBELS認証3★以上又はCASBEE不動産B+以上をいいます。
  • ※底地物件を除く保有物件をベースとし、延床面積をベースとします。
  • ※目標に対する進捗状況はこちらをご覧ください。

温室効果ガス(GHG)排出量

目標(KPI)

2050年度までに温室効果ガス(GHG)排出ネットゼロ

2030年度までに温室効果ガス(GHG)排出総量を80%削減(2019年度基準)(カテゴリ13(テナント管理資産に係る燃料・電気)が対象)

水消費量

目標(KPI)

ポートフォリオの水における床面積当たり消費量(原単位)を2030年度までに10%削減(2016年度基準)

本投資法人は、2050年GHG排出ネットゼロに向け、移行ロードマップを策定いたしました。

2030年までは、Scope1,2および3(カテゴリ13)について、総量ベースで2019年比80%のGHG排出量削減を行います。
具体的なアクションプランについてはこちらをご覧ください。

2050年に向けては、Scope1,2および3について、GHG排出ネットゼロを目指します。
上記はネットゼロの定義に従い、総量ベースで2019年比90%のGHG排出量削減を行い、残留排出量については、国際的に認められる方法で中和します。

(注1) グラフで表示している規模感はイメージです。Scope3カテゴリ13以外については現時点でKPIの設定をしておりませんが、削減努力を進めます。
なお、その他年度のScope3カテゴリ13以外の排出量については、現時点で非開示のため、グラフ上も記載しておりません。
(注2) 2019年度実績を基準年とします。
(注3) Scope3カテゴリ13以外を含むネットゼロ達成をKPIとしています。
(注4) ネットゼロの定義に従い、残留排出量については、国際的に認められる方法にて中和いたします。